全塗装の価格について、どれくらいの費用が掛かるかが一番気になるところだと思います。

しかし、具体的に「この車は全塗装していくらです」となかなかお答えできないのが全塗装だとご理解ください。
どうてなのか、ご説明したいと思います。
当たり前ですが作業内容が少ないほど安くなりますし、多ければ価格は上がります。お客様のお車を実際に拝見してプロの目で見た当社からの提案とお客様のご希望によって全塗装の内容を相談し、それで価格が決まります。基本的には「作業が増えれば価格が上がる」とお考えください。

色々な鈑金塗装屋さんに問い合わせをして頂くと価格の安いところから高いところまでかなり幅が出てくると思います。
長い期間車の修理をしてきた経験も踏まえてアドバイスさせて頂くと、激安の全塗装はお勧めいたしません。

現在の車の状態によって大きく作業内容が変わります。

ごくまれに新車で全塗装して欲しいという方がいらっしゃいますが、長年乗ってきて塗装が剥げてきたりして塗り替えたいという方がほとんどです。
飛び石傷が多い、大きく凹みがある、錆がある、傷を全部直して欲しい、クリア塗装が剥げている、、、状態は様々です。

全塗装に限らず車の鈑金塗装において一番重要なのは下地作業です。綺麗に塗装をしてしまうと全くわからない部分ですが、現在の塗装の痛み具合によって下地作業は大きく時間が取られる場合も多いです。
長く乗りたいからしっかりやって欲しい、とご希望される方も多く、まず現在のお車の状態を見せていただいて、更にお客様のご希望を伺いながら作業のメニューを決めますので、ホームページ上に「この車だからこの価格」という提示がなかなかできません。

また、作業途中で錆が出てきたり、中古車で購入された方は過去のオーナーさんの補修歴などがわからないため、下地作業が進んでからご相談する場合もございます。

(下の画像は塗膜の劣化が進んでしまったルーフ、長く乗ることをお考えの場合はしっかり下地作業をしないと後から不具合が出る可能性もあるため、なるべくこの劣化した塗膜を落としてから作業することをお勧めします)

塗装前の塗膜の状態がよくない場合・鉄板が出るまで塗膜を剥離してしっかり防錆等の処理をしてから行うのがベストですが、下地処理にかかる時間は多くなります。長く乗りたい方は状態を見ながらご提案することもあります。
予算の関係で旧塗膜を一部残してサフェーサー等で処理する場合には、塗装後に考えられる不具合なども説明いたします。

お車の大きさ、構造

もちろん大きなお車ですと作業料金は高くなるのはご理解いただけると思います。
ハイエースやアルファードなどのワンボックスタイプはスライドドアがある場合などは作業時間も掛かります。

「どこまでやるか」によって金額が大きく変わります。

全塗装と言ってもお客様の要望は様々です。どんな事で金額が変わってくるか説明したいと思います。

部品代

全塗装をする際にかなりの部品を外します、その際に新しい部品にどこまで交換するかで部品代がかなり変わります。
再利用できるもの・できないものなど説明しながら、当社と打ち合わせの上に作業内容を決めていきます。
全塗装をすると今まで気にならなかった部品の劣化が気になるということも多く聞きます。後から交換すると交換工賃も掛かったりしますので、よくお考えください。
わからない場合はお見積もりの際に実車を見ながらプロの目で見た交換推奨パーツなどアドバイスできますので、まずはご相談を。

ガラス

フロントガラス・リヤガラスやクォーターガラスなどはガラスと本体の間に黒いガラスモールがあります。
ガラスを外して全塗装をすると塗装した事がわからない仕上がりになりますが、外さない場合はガラスとガラスモールを「マスキング」して塗装いたします。
モールの形状によってはマスキングで塗装したことがわかりにくいようにマスキングをすることも出来る車もあります。モールを浮かせて塗装するための資材を使い、モールを浮いた状態で塗装することもありますが、モールの形状によって出来る車と出来ない車があります。
古いお車の場合ガラスモールの部品が出ない場合は外せないということもあるでしょう。

塗装色

塗装する色によって価格は変わります。
例えばパールホワイトなどは「色」▶︎「パール」▶︎「クリア」という3工程の塗装をします。作業が増えれば価格も高くなります。
また、マツダのソウルレッドプレミアムメタリックなどはキャンディ塗装をしていて、こちら塗装作業の工程が増えますので、通常の塗装よりは割高になります。

(下の画像はマツダ色のソウルレッドプレミアムメタリック、とても深みのある、大人気色ですが塗装にかなりの手間が掛かります)

また、工程ではなく、色によって塗料の値段も実は変わるんです。
赤などは塗料自体が高いので、やはり割高になります。
マジョーラカラーのように特殊な塗料は塗料自体が高価なためにやはり費用は掛かります。
黄色などは「とまりが悪い」(塗り重ねても下の色が透けやすい)ので、色によっては黄色を塗装する前に白を塗装してから黄色を塗りクリアを塗装するという工程になる場合があります。

外からは見えない部分

基本価格は「ドアを閉めた状態で塗装できる部分」を塗ります。
ドアを開けた時に見えるドアの内側や本体側の内側、トランクやボンネット、リヤゲートの内側などは別料金で承ります。
色替えの場合、ボンネットの裏まで塗装をしたい場合など、普段走行する時には見えない部分もしっかりやって欲しい場合は作業料金が掛かります。
またドアを閉めた時には見えないドアの内側部分や本体側のドア内部分などを塗装すると作業は増えます。

スライドドアのお車などは手間も大きく変わってきます。

塗り分けなど

ルーフだけブラックに塗装して欲しい、ツートンにして欲しいなど2色に塗り分けて欲しいというご要望もよく聞かれます。
色を塗り分けると工程も増えます。

(下の画像はハイエースのツートンの全塗装、マスキングも2回やりますので塗装の手間が増えます)

エアロの塗装・取り付けなど

全塗装のついでにエアロを取り付けたいとお考えの方もいらっしゃると思います。
エアロパーツは純正品は問題なく取り付けられるものが多いですが、社外のエアロは取り付けに苦労するものも多いです。フィッティング作業の他にもそのエアロの品質によって下地作業が増えるものもあります。オークションで中古のエアロを購入した場合もその状態によって変わります。
まずはご相談ください。
エアロパーツなどをオークションで落札したりした場合、やエアロのメーカーで新品を購入した場合など当社に直接送っていただいても構いません。